大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)424 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人佐々野虎一の上告趣意第一点について。

しかし、下級審の有罪判決に対し、検察官が上訴をなし、より重い刑の判決を求

めることは、憲法三九条に違反しないものであること当裁判所大法廷の判例とする

ところであるから(昭和二四年新(れ)第二二号、同二五年九月二七日大法廷判決、

判例集四巻九号一八〇五頁)、所論違憲の主張は右判例の趣旨に徴すればその理由

がないといわなければならない。

同第二点について。

所論は違憲をいうけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴

法四〇五条の上告理由に当らないのみならず、控訴趣意書を控訴申立をした検察庁

の検察官が作成し、これを控訴裁判所に対応する検察庁の検察官が提出することは、

少しも訴訟法に違反するものということはできない(昭和二六年(あ)第一六八八

号、同三〇年六月二二日大法廷判決、判例集九巻八号一一八九頁以下、特に一二〇

六頁参照)。

同第三点について。

しかし原審が刑の執行を猶予しない理由が人種、信条、性別、社会的身分又は門

地等により被告人を差別するものでない限り憲法一四条の規定に反するものでない

ことは当裁判所大法廷の判例の示すところであり(昭和二三年(れ)第七〇号、同

年五月二六日大法廷判決、判例集二巻五号五一七頁)、原判決は憲法一四条所定の

事由により被告人を差別待遇したと認むべき形跡はなく、諸般の事情に鑑み執行猶

予の言渡をしなかつたものと認め得るから、所論違憲の主張はその前提を欠き刑訴

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四〇五条の上告理由に当らない。

同第四点について。

所論は結局量刑不当の主張に帰し、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三三年七月一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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